月平均所定労働時間はどこを見る?残業単価の分母を確かめる

残業代を計算するとき、何となく「173時間」と入力していませんか? 月平均所定労働時間は会社ごとに違い、残業単価を左右します。就業規則のどこを探すか、見つからないときは会社カレンダーからどう出すかを一緒にたどります。

編集:情報の確認・更新方針

今回見直した点:月給を時間額へ換算する考え方と法定労働時間について、厚生労働省の根拠と確認範囲を追加しました。 サイト全体の変更履歴

会社カレンダーと勤務条件から、月平均時間を出す

毎月の実績を平均するのではなく、年間の所定労働日と1日の所定時間を同じ計算表へ集めます。

架空の会社カレンダー集計と労働条件通知書。年間365日から所定休日125日を引き、1日8時間を掛けて12か月で割り、月平均160時間を計算している

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就業規則や賃金規程に会社の計算方法が明記されている場合は、その記載と会社カレンダーを先に照合します。

なぜ、この時間で月給を割るの?

残業代(時間外割増賃金)は、「1時間あたりの基礎時給 × 割増率 × 残業時間」で計算されます。この基礎時給を割り出すために「1ヶ月の平均所定労働時間」が必要になります。

基礎時給 = 月給(※除外手当を引いた額) ÷ 1か月の「平均所定労働時間」

計算式の「分母」である所定労働時間が小さくなればなるほど、基礎時給は高くなり、結果として残業代も高くなります。

月給を時間額へ換算する根拠 厚生労働省「割増賃金の計算方法」 月給制では、月給額を1年間における1か月平均所定労働時間数で割り、1時間当たりの賃金を求める考え方を確認できます。(2026年7月25日確認)

年間休日が違うと、残業単価も変わる

ネット上の計算ツールや解説でよく「173時間」が使われる理由と、自社の数字の出し方を解説します。正確な月平均所定労働時間は以下の計算式で導き出されます。

月平均所定労働時間の計算式

(365日 - 年間休日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月


【一般的な「1日8時間・年間休日104日(週休2日目安)」のケース】

(365日 - 104日) × 8時間 ÷ 12ヶ月 = 174時間

※1年の週数(365÷7=52.14週)×週40時間÷12ヶ月≒173.8時間(174時間)とするのも同じ考え方のアプローチです。

年間休日数による月平均所定労働時間の違い(365日・1日8時間の場合)
年間所定休日月平均所定労働時間
104日174.0時間
110日170.0時間
120日163.3時間
125日160.0時間

たとえば年間休日120日・1日8時間なら163.3時間です。月給25万円の場合、173時間で割ると約1,445円、163.3時間で割ると約1,531円となり、残業単価の土台に差が出ます。

この表を使うときの注意 厚生労働省「労働基準に関する法制度」 法定労働時間は原則1日8時間・週40時間です。ただし、月平均所定労働時間は勤務先の年間カレンダー、所定休日、1日の所定時間により変わるため、表の数値は自社の規程と照合してください。(2026年7月25日確認)

就業規則のどこを探せばいい?

  1. 労働条件通知書・雇用契約書を確認する
    入社時に交付された書類の「勤務時間(始業・終業時刻、休憩時間)」「休日(年間休日数)」の項目を見ます。
  2. 就業規則・賃金規程を確認する
    「割増賃金の計算方法」という項目に、「給与計算の基礎となる月平均所定労働時間は〇〇時間とする」とダイレクトに規定されているケースも多いです。
  3. シフト制の場合は「特則」を確認する
    シフト制や変形労働時間制の場合は、月によって日数が変わるため、「年間を通じた平均時間」を使うのか「その月ごとのシフト上の合計時間」を使うのかが就業規則に定められています。

計算するときに間違えやすいところ

給与明細と見比べる

就業規則などで月平均所定労働時間を確認できたら、その数字を使って残業代の目安を計算できます。 残業代の目安を計算する

月平均所定労働時間で迷いやすい点

所定労働時間と法定労働時間の違いは何ですか?

「法定労働時間」は労働基準法が定める労働時間の上限(原則:1日8時間・週40時間)です。「所定労働時間」は、会社と労働者の契約によって定められた個別の勤務時間(例:1日7.5時間)です。残業代の基礎時給は「所定」で計算しますが、割増賃金(1.25倍等)が発生する起点は「法定」を超えるか否かになります。

自分の所定労働時間が分からない場合、とりあえず173時間で計算してもいいですか?

173時間は仮置きの目安にしかなりません。年間休日や1日の所定時間が違えば分母も変わるため、支給額の照合には就業規則・賃金規程・会社カレンダーの数字を使ってください。

シフト制(月によって休日数が違う)の場合、所定労働時間はどうなりますか?

就業規則や賃金規程の定めに従います。「1年間の平均所定労働時間」を固定値として毎月使う会社もあれば、「その月の暦日数に基づく所定時間」を毎月変動させて計算する会社もあります。まずは会社の規程を確認することが先決です。

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手元の資料と働いた状況に近い記事から、必要な条件を一つずつ確かめられます。

残業時間の基本 定時後のどこから割増になる? 1日8時間・週40時間を基準に、所定時間外と法定時間外を分けます。 記事を読む 給与明細を確かめる 時間・単価・支給額のどこが違う? 勤怠と給与明細を並べ、残業代の掛け算を順番に照合します。 記事を読む 勤務時間を調べる 月平均所定労働時間は173時間でよい? 就業規則と会社カレンダーから、自分の会社の時間を確認します。 記事を読む

参照した資料

本文の確認に使った公的資料です。リンク先の更新日や適用範囲もあわせて確認してください。

最終確認日:2026年7月25日
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