残業代はいつから増える?1日8時間・週40時間の見方
定時を30分過ぎた日、「この30分はもう25%増し?」と迷うことがあります。答えを出すには、定時ではなく1日8時間・週40時間の線を勤怠の上に引いてみるのが近道です。手元の記録を使って、通常賃金の時間と割増になる時間を分けます。
まず、働いた時間を分けてみる
- 休憩を除いた、実際に働いた時間を出す
- そのうち、1日8時間・週40時間を超えた分を確かめる
- 22時以降や法定休日の勤務があれば、割増を上乗せする
- 最後に、給与明細ですでに支払われた額と見比べる
残業代と36協定は分けて考える
残業代(時間外割増賃金)が支払われる基準となるのは、会社が独自に定める所定労働時間ではなく、労働基準法で強行規定として定められた「法定労働時間」です。
- 法定労働時間(労働基準法第32条):原則として、1日8時間まで、1週間40時間まで。
- 割増賃金の支払義務(労働基準法第37条):使用者が労働者に法定労働時間を超えて労働させた場合、2割5分(1.25倍)以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
- 36協定(労働基準法第36条):法定労働時間を超えて労働させる場合、労使間で協定を締結し、労働基準監督署長に届け出る必要がある。
法定労働時間と36協定の根拠 e-Gov法令検索「労働基準法」第32条・第36条・第37条 原則1日8時間・週40時間、時間外労働の協定、割増賃金の支払義務を確認できます。届出の要点は厚生労働省「36協定届」も参照してください。(2026年7月25日確認)
月給から残業代を出す式
通常の法定時間外労働(一般的な残業)に対する割増賃金は、以下の数式で算出します。
※基礎時給 = 月給(除外賃金を引いた額) ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間
割増率と月給換算の根拠 厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」 時間外25%以上、深夜25%以上、法定休日35%以上の割増率と、月給制の1時間当たり賃金の計算例を確認できます。(2026年7月25日確認)
月給24万円で20時間残業したら、いくら?
以下の条件で、月の残業が20時間発生した場合の具体的な計算手順を示します。
- 基礎となる月給(各種手当含む・除外賃金を除く):240,000円
- 1ヶ月の平均所定労働時間:160時間
- 月の時間外労働時間:20時間
- 基礎時給の算出
240,000円 ÷ 160時間 = 1,500円 - 残業1時間あたりの割増単価
1,500円 × 1.25 = 1,875円 - 当月の残業代総額
1,875円 × 20時間 = 37,500円
※この37,500円が、基本給24万円に上乗せされて支給される必要があります。
計算するときに間違えやすいところ
- 「法内残業」にも1.25倍を適用してしまう
会社の定時(例:1日7時間)を超え、法定労働時間(原則1日8時間)に達するまでの時間には、法律上の25%以上の割増義務は原則ありません。ただし、通常の賃金の支払いと、就業規則に独自の割増定めがないかは別に確認します。 - 役職手当や資格手当を基礎時給計算から除外している
計算から除外できる賃金は法令で限定されています。名称だけで判断せず、家族手当・通勤手当・住宅手当等の実質を確認し、役職手当等は原則として算定基礎へ含めて検討します。 - 残業時間を15分や30分単位で切り捨てている
労働時間は1日単位で1分単位の計上が原則です。1ヶ月の総残業時間を集計した最後に限り「30分未満切り捨て・30分以上切り上げ」の端数処理が認められています。日ごとの一律切り捨ては、原則として認められません。
計算結果を給与明細と見比べる
- 「1日8時間」または「週40時間」のどちらかを超えた時間が正しく残業として計上されているか。
- 基本給だけでなく、法令上含めるべき手当をすべて合算して基礎時給が算出されているか。
- タイムカード等の記録が1分単位でなされ、日々の細かな時間が切り捨てられていないか。
時間の区分で迷いやすい点
「週40時間」の起算日はいつですか?
1週間の起算日は就業規則などの定めを確認します。定めがない場合の扱いを含め、日ごとの8時間超と週の合計を重複計上しないよう勤務先へ計算方法を確認してください。
完全週休2日制ではない場合の残業はどうなりますか?
原則として、1日8時間を超えなくても、週40時間を超える部分は時間外割増の対象です。一定の規模・業種に該当する特例措置対象事業場では週44時間の特例があるため、自社の適用状況を就業規則などで確認します。
年俸制でも残業代は発生しますか?
年俸制という賃金形態だけで時間外割増の対象外にはなりません。固定残業代を含む場合は、通常賃金部分との区分、対象時間と金額、実際の計算額が固定額を超えた月の差額を確認します。
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次に確認すると、計算の迷いが減ります
手元の資料と働いた状況に近い記事から、必要な条件を一つずつ確かめられます。
参照した資料
本文の確認に使った公的資料です。リンク先の更新日や適用範囲もあわせて確認してください。
- 労働基準法 第32条・第36条・第37条(e-Gov法令検索)(2026年7月25日確認)
- 時間外・休日労働と割増賃金(厚生労働省)(2026年7月25日確認)
最終確認日:2026年7月25日
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