給与明細の残業代はどこを見る?時間・単価・支給額の見比べ方

勤怠には12.5時間、明細には時間外手当23,437円。「この金額、合っている?」と思っても、数字を眺めるだけでは判断しにくいものです。「時間×単価=支給額」に戻し、どこで差が出たのかを明細と勤怠から一緒に探します。下の照合シートへ入力した内容は保存・送信されません。

編集:情報の確認・更新方針

今回見直した点:時間・単価・割増率・固定残業代について、厚生労働省の根拠と確認範囲を追加しました。 サイト全体の変更履歴

明細の時間・単価・支給額を、この順番で照合する
明細の欄記載例照合するもの
時間時間外 12.5h勤怠記録
単価時間外単価 1,875円基本給・手当・所定労働時間
支給額時間外手当 23,437円時間 × 単価と会社の端数処理
同じ支給月の架空の勤怠月報と給与明細を並べ、残業時間18.50時間、単価2109円、時間外手当39017円を計算式で照合している

画像を大きく見る(別画面)

数値にずれがあれば、勤怠、単価、支給額の順に原因を絞ります。

給与明細の照合シート

明細に「時間外単価」が載っている場合の簡易照合です。深夜・休日・固定残業代が混ざる月は、区分ごとに分けてください。

明細と勤怠から転記する数字

単価が明細にない場合は、給与明細から残業単価を出す方法を先に確認してください。この照合だけで未払いの有無は確定できません。

まず時間、次に単価、最後に支給額

残業代が正しく計算され支払われているかどうかは、以下の3つの要素が明細上または賃金規程等のルールと一致しているかで判断します。

時間・単価・割増率を照合する根拠 厚生労働省「割増賃金の計算方法」 月給制の1時間当たり賃金、計算から除外できる賃金、時間外・深夜・休日の割増率を確認できます。(2026年7月25日確認)

「時間外」「超勤」「残業」――項目名を読み解く

会社によって支給項目の名称は様々です。「残業代」という記載がなくても、以下のような名称で支払われているか確認しましょう。

項目名だけで判断せず、対象時間と計算条件を確認する
分類 よくある項目名 解説と確認ポイント
通常残業
(1.25倍〜)
時間外手当、超勤手当、延長割増金、時間外割増賃金 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間に対して支払われる最も一般的な項目です。
深夜・深夜残業
(+0.25倍〜)
深夜手当、夜間割増手当、深夜業手当、夜勤手当(※要注意) 22時〜翌5時の労働に支払われます。「夜勤手当(1回〇円)」の場合は法定の割増率を満たしているか照合が必要です。
休日出勤
(1.35倍 / 1.25倍)
休日出勤手当、法定休日手当、所定休日割増、休日手当 法定休日の勤務は1.35倍以上です。それ以外の休日は、週40時間などを超えて法定時間外に当たる部分へ時間外割増を加えます。
固定残業代 固定時間外手当、営業手当、職務手当、役職手当 みなし残業として毎月定額支給される項目です。後述の厳格な要件を満たす必要があります。

項目名と法定割増率の根拠 厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」 給与明細の名称ではなく、時間外25%以上・深夜25%以上・法定休日35%以上という区分と計算内容を照合するための資料です。(2026年7月25日確認)

固定残業代や調整給がある場合

「月給額をやたらと多くの〇〇手当に分割して基本給を低く抑えている」「調整給が入っている」明細には注意が必要です。

  1. 基本給の不当な圧縮
    基本給15万円+謎の調整手当10万円=25万円、といった場合、調整手当が「残業代計算の基礎」から無効に除外されていないか要確認です。職務に関連する手当は原則的に基礎時給に参入しなければなりません。
  2. 「調整給=固定残業代」という後付けの主張
    残業代を請求した際、会社側が「これまで払っていた調整手当は実は固定残業代だった」と主張するケースがあります。固定残業代として扱うには、通常賃金部分と割増賃金部分を判別できることや、対象時間を超えた差額が支払われているかを確認する必要があります。

固定残業代の確認根拠 厚生労働省「固定残業代について」 通常賃金部分と固定残業代部分を判別できること、固定額を超える割増賃金が発生した月は差額の支払いが必要であることを確認できます。(2026年7月25日確認)

数字が合わないのは、時間・単価・支給額のどこ?

見直しに使う記録

給与明細と勤怠の数字を確認できたら、一般的な条件で残業代の目安を計算できます。 残業代の目安を計算する

明細を見比べるときの補足

給与明細に「残業代」という項目がありません。払われていないのでしょうか?

必ずしも未払いとは限りません。「時間外手当」「超勤手当」といった法律用語に近い名称や、「職務手当」として固定残業代の扱いで記載されている可能性があります。支給項目の名称とともに、時間数・単価・割増率の整合性を確認してください。

明細にある「調整給」は残業代として扱われますか?

調整給の用途は企業ごとに様々ですが、調整給が固定残業代に当たるかは、雇用契約書や賃金規程で通常賃金と区分できるか、対象時間と金額が分かるか、超過分が精算されているかを確認します。

自分で時給換算して計算した単価が明細の金額と合いません。原因は何ですか?

所定労働時間の取り方の誤り、割増計算の基礎に「含めるべき手当(役職手当など)」を含めていない、あるいは端数処理が法令上認められる範囲を超えていることなどが主な原因です。まずは会社の就業規則に定められた「所定労働時間」と「計算の基礎となる賃金」を確認してください。

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参照した資料

本文の確認に使った公的資料です。リンク先の更新日や適用範囲もあわせて確認してください。

最終確認日:2026年7月25日
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